歯周ポケット測定

 歯周病は、最初は痛みもなく、時間をかけて進行するので、処置が遅れがちです。適切なブラッシングや歯科医院での歯石除去などプラークコントロールによって、予防することが重要であることはこれまでも書いてきました。 今回取り上げる歯周ポケット測定は、具体的な数値で歯周の状態を把握でき、定期的に行うことで、予防と早期発見に役立ちます。

歯周ポケット測定 歯周ポケットとは、歯と歯肉の間の溝(歯肉溝)が歯周病により深くなってしまった状態を言います。
 歯肉溝そのものを歯周ポケットと呼ぶこともあります。
健全な歯と歯茎の状態であれば、その深さは、1~3ミリ程度ですが、中程度の歯周炎があると3~5ミリ、歯周病が進行した場合は6ミリ以上になることがあります。
長くても10数ミリの歯の根に対して、6ミリを越える溝ですから、かなり不安定な状態であることは想像に難くないと思います。

  歯周ポケットの深さは、自分ではなかなかわかりません。歯科医院で専用の器具を使って測定します。「ポケット探針」、「ポケットプローブ」といわれる、目盛りのついた細い針状の器具を、歯と歯茎の間に滑り込ませ、溝の底までの深さを読み取ります。1本の歯につき4~6箇所程度測ります。 出血の有無もチェックします。 通常は痛みはありませんが、腫れなどがある場合多少チクッとした痛みがあります。

4ミリ以上の歯周ポケットに付着した汚れや、その汚れが硬くなって歯石になってしまった場合は、ブラッシングでは取れないので、歯科医院で取り除きます。 こうした治療と適切なブラッシングを続ければ、徐々に歯周ポケットは浅くなります。 ポケットが浅くなって歯茎がしまって下がってくると歯の根が見えてきますが、これは歯茎の腫れがひいて、本来の状態に回復したということなので、問題はありません

自覚症状のない歯周病だけに、進行状態を具体的な数値で把握できる歯周ポケット測定は、有効な予防策です。

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