唾液をたくさん出す方法

 このコラムでも折りに触れて、唾液のはたらきを紹介してきました。食べ物と混ざり合って飲み込みやすくしてくれ、酵素によって消化を助け、お口のなかを洗浄して細菌の増殖を防ぎ、虫歯や歯周病、口臭を防いでいます。そんな唾液は加齢やストレスによって減ってくるので、唾液をたくさん出す方法についてみてみましょう。
 個人差はありますが、私たちのカラダは1日に1~1.5リットルもの唾液を作っています。唾液は唾液腺という器官で作られます。耳下腺(じかせん)、顎下腺(がっかせん)、舌下腺(ぜっかせん)という大唾液腺で多く作られ、95%は大唾液腺から分泌されます。耳下腺・顎下腺・舌下腺という名の通り口の周りに集中しています。他にも小さな唾液腺が口の周りにあり、小唾液腺と呼ばれています。これらの唾液腺を刺激することで唾液の分泌を促します。
まずはよく噛むことです。噛む回数を増やし、噛み応えのあるものを多く摂ることを心がけます。酸っぱいものを食べることも唾液腺を刺激します。
次に水をたくさん飲むのもよいでしょう。利尿作用があるコーヒーやお茶より水の方が唾液の分泌には効果的です。
舌の体操も効果があります。舌を前に出す、舌を出して左右に動かす、舌を回転させる、舌先で上唇の内側・下唇の内側・左右の頬の内側を押す、こういった運動で唾液が出やすくなります。
唾液腺を直接マッサージすることもよいでしょう。耳下腺…頬と耳たぶの間に指をあて奥から円を描くように回す、顎下腺…耳の下から顎先までの内側を何か所か指先で押す、舌下腺…あごの真下から舌を突き上げるように両親指で押し上げる、といった要領でマッサージを行います。
よく話すこと、口や舌をよく動かすことで、舌と頬の筋肉を動かし唾液を出すこともよいでしょう。パタカラ体操といわれる方法があります。「ぱっ、ぱっ、ぱっ、ぱっ」「たっ、たっ、たっ、たっ」「かっ、かっ、かっ、かっ」「らっ、らっ、らっ、らっ」といった感じでゆっくりはっきり発音します。唾液の分泌だけでなく噛む力、飲み込む力もつきます。
上記のような方法で唾液はたくさん出るようになりますが、夜間だけはあまり出ません。そのため夜は口の中で細菌が繁殖しやすくなります。むし歯や歯肉炎の予防の観点から、また朝起きたときの口の中のネバつきや口臭を防ぐために、就寝前にはよりていねいなケアを心がけることが大切です。

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