知っておきたい小児矯正1
矯正治療は小さいときに始めたほうがよいと漠然と思われている方も多いと思いますが、お子さんにとってもご両親にとっても、何度も経験することではないので、よくわからないというのが本当のところではないでしょうか。
知っておきたい情報をまとめてみます。
○歯科における矯正とは
歯並びを良くするということが最大の目的であり、ゴールであることは間違いありません。「出っ歯」や「受け口」をコンプレックスに感じることもあるでしょうし、いじめの原因にもなりかねません。矯正治療によってこれらを取り除くことができます。
また、矯正治療は歯並びとともにかみ合わせを改善します。その結果、食欲が増進したり、発音がよくなることがあります。かみ合わせの不具合が原因のあごの痛み、頭痛や肩こりがあればそれも治るかもしれません。
歯並びが良くなったので、歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病も減少するという面もあります。こうした歯科矯正治療の効果が認識され始めて、矯正治療の受診率は増えてきています。
○受診率が増えているもう一つの背景
受診率が増えてきた背景には、現代人の食生活の変化という側面もあるかもしれません。ファストフードや麺類、ご飯、ケーキなどのお菓子など柔らかくてあまり噛まなくても飲み込めてしまうものが好まれ、口にすることが増えていること、また塾通いなど子どもたちの忙しい日常は食事時間を短くしていること、などで咀嚼回数が減り、あごが十分に成長しない子どもが増えています。
その結果、あごがすっきりした見た目の良い小顔の子どもが増えた反面、歯が収まりきらず矯正治療が必要に、ということが考えられます。
○大人の矯正との違い
まだ成長過程なので、歯だけでなく、あごの骨のコントロールもある程度可能なため、治療の幅がひろがる点が大きな違いです。歯が収まらなければ、歯を抜くしかないのか、土台である顎を広げることも考えることができるのかというようなことです。ただし、ヒトの成長発育は精巧で複雑なものであり、人間が完全にコントロールすることは難しく、個人差もあります。
次回コラムに続きます。 次回以降、日常でのチェックポイント、治療を始める時期、などについて書いていきます。
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