よだれの悩み

   

小さいお子さんであれば、どの子でもよだれは出すものですが、量が多かったり、だいぶ大きくなっても止まらないようだと不安になられるお母さんもいらっしゃることかと思います。
よだれはもともと唾液が口からあふれ出たもので、食べ物の消化を助ける、口のなかを清潔に保つといった働きを持つ唾液それ自体は害はなく、むしろ大切な役割を果たしています。
よだれが出始める時期はお子さんそれぞれで、生後2~3ヶ月くらいから出始める子どももいますが、指しゃぶりを始めたり、おもちゃなどをなめたり、離乳食を食べ始めたり、乳歯が生えてきたりと、お口のなかでの刺激が多くなり、上あごや舌をよく動かすようになるにつれて、唾液の量が多くなり、よだれも多くなってきます。
よだれが治まってくるのは、唾液が減るわけではなくて上手に唾液を飲み込めるようになるためで、その時期も個人差が大きいようです。2歳くらいから減り始めますが、その後も唾液の量が増えていくので、5歳くらいまで出る子どももいます。それでも小学校に入学するころまでには自然に出なくなってきます
また、物事に夢中になって口をぽかんと開けてしまうくせがあったり、口呼吸になっていたり、歯のかみ合わせやむし歯が原因で、よだれが出ることもあります。
突然よだれが多くなったときは、口のなかの炎症が原因のときもあります。口内炎・舌炎・咽頭・扁桃腺などの痛みが神経を刺激して唾液の分泌を増加させたり、痛みで唾液をうまく飲み込めなくなったりするためです。

よだれが出る時期には、肌の弱い子どもだと口の周りやあごのあたりに湿疹やかぶれが見られることがあります。よだれかけをして清潔を保ちます。濡れたままでは不衛生なので、柔らかいガーゼなどで優しく拭いてあげるようにします。
一般によだれが多い子は大切な役割を持つ唾液の量も多いと言えるので、お口にとってはよいことと考えてもいいと思います。そして、口呼吸などあまりよくないくせや口のなかに病気がなければ、よだれはやがては治まるものなので、叱ったり注意したりせずに、そのまま見ていてあげてください。


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