健康のためにガムを噛む
「よく噛んで食べる」ことが、歯やからだに良いことはこれまで何度か書いてきました。毎回の食事でよく噛むことはもちろんですが、それ以外にガムを噛んで同じような効用を得ることもできます。
以前のガムは、むし歯菌(ミュータンス菌)の栄養であるショ糖(砂糖の主成分)などを甘味料に使うものが多く、ガムはむし歯になりやすいとされていました。
やがて、キシリトールが甘味料として使用されるようになり、キシリトールはミュータンス菌が利用できないことから、以前に比べてむし歯になりにくい食品として認知されるようになりました。
ガムを噛むこと(=よく噛むこと)で、口のなかや口の周りの筋肉を刺激し、唾液を出しやすくし、唾液の洗浄作用が促進されます。また脳の血流が良くなり脳の活性化にもなるほか、気持ちを落ち着かせるリラックス効果もあります。噛むことで、顔全体に分布している表情筋が鍛えられ、シワやたるみ、ほうれい線の予防、小顔効果といった美容の効果も期待できます。また、噛む回数が増えることで満腹中枢が刺激され、血糖の調節機能が働いてお腹が空きにくくなるダイエット効果もあると言われています。
このような効果を得るために適切なガムの噛み方です。まずはリズミカルに噛むことです。口を閉じる筋肉と開ける筋肉をバランスよく使うことになります。また唇は閉じて、前歯ではなく左右の奥歯で均等に噛むようにします。
特にキシリトールガムの場合は、消化があまり良くないので食べすぎには注意しましょう。1回のガムの量は2粒程度が適切でしょう。噛む時間は10分程度、長く噛み続けると歯の表面のエナメル質が磨り減ってしまう恐れもあります。他にも長く噛むことで、顎関節症など顎関節にも悪影響が出ますし、噛む筋肉が疲れてくると頭痛が増えます。
最近では、目的に応じていろいろな種類のガムが増えてきました。むし歯になりにくくなるキシリトールガムであれば、キシリトール含有率の高いもの、できれば100%のものを選びましょう。歯科医院などで取り扱っています。ほかにもお子さんが正しく噛むトレーニングをするためのガムや、高齢者用の義歯につきにくいガム、禁煙目的や口臭予防をうたったガムもあります。
それぞれの年齢や状況に応じて、適当なものを選び、健康の一助としていただければいいと思います。
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