虫歯になりやすい人、 なりやすい年齢、なりやすい場所
同じような生活パターンをしていて、同じものを食べている人でも、虫歯のでき方には差が出てきます。虫歯ができやすい、できにくいについて、いくつかの要因があるからです。
まずは、口の中の状態です。歯の質、唾液の量と性質、虫歯の原因菌の量、飲食の回数、などによって変わってきます。
唾液の量が少ない人や、酸を中和するはたらきが弱いというような性質をもつ唾液の人は、虫歯への耐性が低いと言えるでしょう。
口の中に虫歯菌(ミュータンス菌)がいるかどうか、多いか少ないか、も大きく関係します。虫歯は細菌による感染症なので、虫歯菌がいなければ発症しません。
生まれたときの赤ん坊には虫歯菌はいません。多くは、乳幼児期に親から感染すると言われています。スプーンの使いまわしや、時には愛情表現のキスが、菌を媒介しています。周囲の大人が気をつけて、乳幼児期に菌の侵入阻止に成功すれば、一生虫歯の心配のない人生が過ごせるのです。
また、飲食の回数が多ければ、口の中が中性に近づく時間が少なくなり、むし歯への危険度は増します。いつも飴をなめたりしている人は、酸性の状態が続くことになり、それだけむし歯になりやすいでしょう。
年齢によっても大きく変わってきます。最初の要注意年齢は、永久歯とくらべて酸に弱い乳歯の生える3歳ごろです。続いて永久歯もはえ始めは酸に弱いので、5~6歳の時期、特に複雑な形をしていて、生えそろうまで時間のかかる第一大臼歯は要注意です。中学、高校にかけての食生活の乱れも虫歯になりやすい要因です。
さらに年齢を重ね、歯茎が下がり、象牙質が露出するようになると、歯と歯茎のすき間に虫歯ができやすくなります。成人病などで薬を常用していると、唾液の分泌が少なくなることが多いので、その場合も注意が必要です。
最後にできやすい場所です。歯を磨きにくい部分はプラークが残りやすく、虫歯になりやすいことは容易に想像できます。具体的には、奥歯上面のかみ合わせ部分(小窩裂溝)、歯と歯茎の境目部分(歯頸部)、歯と歯の隣接部分、などです。
唾液の検査は歯科医院で行うことができますし、自分の歯の弱点を知って、予防に役立てることは、虫歯をできにくくする方法の一つです。
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