歯科恐怖症
高所恐怖症、閉所恐怖症、対人恐怖症など、xx恐怖症と言われる神経症はいろいろとあり、他の人にはなんでもないことでも、当人にとっては、大変なストレスとなってしまいます。
歯科恐怖症または歯科治療恐怖症もそのひとつで、一説では日本でも500万人以上が悩んでいるとも言われていて、そうした方は、歯が痛くても我慢したり、歯科医院の前で入るのをためらったりしているのかも知れません。
歯科恐怖症になってしまう原因は、小児期の治療体験に基づくものが多いとされてます。
幼いときに、押さえつけられるなど、半ばむりやり治療させられた体験や、痛い・辛いと主張しても「少しくらい我慢しなさい」で済まされてしまった経験が、すごく幼ければ無意識のうちに、または少し大きくなった子供にとっては意識して、歯科治療を怖いものだと思い込ませてしまうのでしょう。
歯科恐怖症の患者さんの恐怖は、歯科処置そのものに対する恐怖、歯科医に対する不信、痛みへの不安、など様々です。治療法についても症状により様々ですが、近道はありません。
まず、十分な説明や対話を通して、医師との信頼関係を築き、納得した上で治療に入り、治療中には、「痛ければいつでも中断できる」ことを理解してもらい、患者さんの意思で治療が進められている、という安心感を持ってもらいながら、徐々に恐怖や不安を解消していきます。笑気ガスでリラックスしてもらって治療を進める方法や、レーザーを使った無痛治療なども有用です。
歯科恐怖症を作らない、ということも歯科医師の大切な役割です。幼い子供さんには治療ばかりを優先せずに、表情や態度の微妙な変化に注意して対応していくことで、多くの場合、歯科恐怖症になるのを防ぐことができると言われています。
また、家庭でのブラッシングや歯科医院での定期検診などで、適切なむし歯予防を行うことも重要です。むし歯にならずに歯を削ったりする治療を経験しない子供さんが、歯科医院や歯科治療に恐怖をいだくことは、ほとんどないでしょう。
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